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2006年08月15日

◆夏の行事、お盆・盂蘭盆会(うらぼんえ)(十四)

◆夏の行事、お盆・盂蘭盆会(うらぼんえ)(十四)


◆夏の行事、お盆・盂蘭盆会(うらぼんえ)(十四)

◆◇◆「お盆」「盂蘭盆会(うらぼんえ)」、お盆の踊り「盆踊り」

 今は娯楽行事(あるいは観光用の行事?)となっている盆踊りも元々は、盆に返ってきた祖先の霊を迎え慰め、そして返すための行事(※注1)であった。元来は縦に列をなして踊る形であったようだが、現在では輪になって踊る輪踊りも盛んである。輪踊りの場合は中心は精霊棚であったのであろう、現在は太鼓(あるいはスピーカー?)の載った櫓だったりする(※注2)。

 現在もお盆の時期は故郷への帰省ラッシュの時期である。現在よりも休みの少なかった時代、盆には奉公人が休みをとって実家に帰ることが出来る時期で、これを「藪入り」と称した。この時期はまた、他家に嫁いだ女性が実家に戻ることの出来る時期でもあり、自分と自分の家(先祖、ルーツ・・・)の繋がりを確認する時期だったようである。

※参考Hints&Notes(注釈)☆彡:*::*~☆~*:.,。・°・:*:★,。・°☆・。・゜★・。・。☆.・:*:★,。・°☆

(※注1)盆踊りを踊る目的については、大きく分けて四つあるとされている。

 (1)尊い神(祖霊神など)の来訪を意味する踊りで、若者などの扮した翁(おきな)・嫗(おうな)の二神が多くの随神とともに賑やかに家々を訪れ祝福して歩く、沖縄八重山地方のアンガマなどがある。沖縄県には豊年の祝意を込めた踊りもあり、沖縄以外にもこのような祝儀的性格の盆踊りがいくらか見られる。

 (2)先祖霊(祖先霊)を迎え慰めるための踊りで、これが最も多いようだ。主たる対象は、前年のお盆以降に亡くなった地域内の人々の霊である。

 (3)疫神などの祟り神を地域外へ鎮送することを目的とした踊りで、御霊信仰を背景にした盆踊りといえる。長野県下伊那地方の新野では、盆踊りの最後に新盆宅(初盆家)の切子灯篭を先頭にして皆で地域境まで練り行き、踊り神送りなどと称し、そこで切子灯篭を燃やし鉄砲の音させて後ろを振り返らずに戻ってきたという。

 (4)娯楽目的の盆踊りである。信仰的要素や娯楽性はすべての盆踊りにあるが、着飾って男女が賑やかに歌い踊る、娯楽性を強調したものだ。地域以外の多くの人びとも参加する各地の有名な盆踊り(阿波踊りなど)や、近年流行の町内会・自治会主催の夏祭りを兼ねた民謡踊り的な盆踊りは、もっぱら楽しみを目的としたものである。

(※注2)長年にわたって地域の行事の一つとして継承されてきた盆踊りでもっとも一般的なのは、先祖供養、特に前年の盆以降の新仏を地域の人びとが皆で供養しようとするものである。死後間もない霊はまだ浄化を遂げていないとされ、祟りやすいと考えられている。そのため、新盆宅(初盆家)の盆行事は地域の共同祭祀的色彩の濃いのが特徴だ。盆踊りもそうした共同供養の一つとして行われる。

 と同時に、踊るさまは、新仏が盆に戻ってきて踊る姿を表現しているとの解釈もあります。静岡県西部の遠州大念仏は多分に芸能化していますが、十数人ないしは数十人からなる念仏集団が独特の衣装で道行囃子を奏しつつ、次々に新盆宅(初盆家)を訪れ、その家の新仏を弔ったあと庭先で太鼓・笛などに合わせて激しく踊り、その合間に双盤の音が哀しく響く。

 この他にも、高知県土佐清水市の川口や大津のような、広場に精霊棚を設け、そこに新盆宅(初盆家)の位牌などを並べて踊り続ける所がある。また、鳥取県岩美町陸上では、墓踊りと称し、まず寺の境内で踊り始めてから墓地へむかい、新盆宅(初盆家)の墓を取り巻いて踊る所もある。

 このような新仏供養の盆踊りは、中世に流行した踊り念仏の系統をひく念仏踊りだが、次第に風流化し、踊りの場に彩色された大型の灯籠を並べたり、衣装に凝るようになっていった。同時に念仏を唱えるだけでなく、歌詞にも工夫を凝らすようになっていく。


スサノヲ(スサノオ)


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Posted by スサノヲ(スサノオ) at 21:58│Comments(0)スサノヲ(スサノオ)の日本学
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